押して忍ぶの対極は

退いてわめくってとこだろうか。


退いてわめいている方が明らかにカッコ悪くてダメダメなのだが、最近はこっちの方が主流だろう。


RPGをやるとき、昔だったら戦士だとか勇者だとかの肉弾系が人気あったのは、最近は魔法使いだとか、モンスターとか悪魔だとかを召還して支配する系が人気であるらしい。


つまり、自らの汗と血を流してしこしこ鍛えるマッチョというのはもう流行らないしモテないと。


口先三寸で呪文一発で全滅させたり、悪魔様を口説いてたぶらかす方がよりスマートであると。


魔法には魔法の面白さがあるだろうが、なんかこう、自分の身を危険にさらすことなく、口先でだけちょっかい出して責任を取らないみたいな風潮が感じられて釈然としない。


遊びの場でも仕事の場でも同じことだが、本当に出来る人は押して忍ぶ。
困難なことや、プレッシャーに対して退くことなく前に出るが、前に出た先でキレることはない。実に粘り強く建設的にものごとを進める。


魔法もおそらく実在するのなら、ただ呪文を丸暗記するだけでなく、なぜその呪文でなければならないのかといった必然性を理解する論理や、微妙な音素を再現するための限りない反復練習や、その瞬間に精神を全開で燃焼させるための高度な集中力といったものが必要になるだろう。
知識として持っていれば、それだけで実現可能という安易なものではないはずだ。


安易に得たものは容易く失うし、そもそも大したレベルのものは得られない。
地味なトレーニングなぞ流行らないしモテないしKY扱いだろうが、モテたいってだけが動機付けでは、人に好かれたくて阿るばかりの、実の無い人生になるのではないだろうか。